剣道を始めると最初に必要になるのが竹刀(しない)です。竹刀は稽古や試合で常に手にする大切な道具ですが、さまざまな種類や形があり、最初はどれを選べばよいか迷う方も多いでしょう。ここでは初心者から上級者までみなさんに参考にしていただける竹刀の選び方と手入れ方法について解説します。
竹刀を選ぶときのポイント
竹刀を選ぶ際は、次の4つのポイントを意識して選ぶことが大切です。
- 長さと重さ
- 竹刀の型
- 銘柄
- 素材
- 付属品
1.長さと重さ
竹刀を選ぶ時、一番注意しなければならないのは全剣連の定めた竹刀の長さと重さの規定を守ることです。一般男子/高校女子など、カテゴリーによって規定は異なるので、これを守るようにしてください。難しく書いてしまいましたが、武道具店では、普通長さごとに別々の棚に整理して売っているので、例えば高校生であれば「38」の長さの竹刀から規定の重さ以上のものを選べばよいだけです(重さはお店にあるはかりで量れます)。ここで注意しなければならないのは、「全剣連の規定は付属品も含んだ完成品の重さ」であることです。付属品は40g程度なのでこの重さを引いた重さで考えてください。これを守っていれば他の基準に引っ掛かってしまうことはほとんどありません。

ちくとう最小直径は竹刀先端部の対角直径のことをいう
詳細は、全日本剣道連盟のホームページでご確認ください。
2.竹刀の型
竹刀には大きく分けると2つの型があります。どちらを使うかは完全に好みの問題です。それぞれの特徴を以下にまとめます。
- 胴張り:実戦型という書き方をしているお店もある。鍔元(胴の部分)がふくらんでおり、重心が手元寄りなのが特徴です。操作性が良く返し技などを使う剣士に向いている。初心者にも扱いやすい。
- 古刀造り:全体的にまっすぐで重心が先寄り。竹刀操作に慣れた上級者が好む傾向があり、真っすぐストンと技を打ち切るタイプの剣士に好まれます。
3.銘柄
竹刀にも「銘柄(ブランド)」があります。一つの武道具店で複数の銘柄を取り扱っており、銘柄によって特長が異なり、「太さ」「重さのバランス」「色」などに違いがあります。自分の好みに合う銘柄を見つけるのも剣道の楽しみのひとつです。また同じ銘柄の竹刀を使っておくと、一本の竹が割れた際、別の竹刀から竹を一本組み替えて再利用しやすくなります。
4.素材
竹刀の竹は「真竹」と「桂竹」に分けられます。どちらを使うかは好みの問題なのですが、価格が大きく異なるため、一般的にはほとんどの普通の剣士は、桂竹の竹刀を使っています。
つい最近までカーボン素材の竹刀も作られていたのですが販売をやめてしまったため、今後は見かけることも少なくなっていくかと思います。
- 真竹(まだけ):弾力があり、打突した時に「パン!」と弾けるような音がします。上級者に好まれます。
価格:完成品で8,000円以上(一般用) - 桂竹(けいちく):硬めで耐久性が高く、割れにくい傾向があります。初心者にも扱いやすく、たくさんの方が使っています。
価格:完成品で5,000円以上(一般用)
5.付属品
竹刀は竹と付属品からできており、付属品には以下のようなものがあります。竹と付属品の壊れるタイミングは必ずしも一緒ではないので、竹だけを購入し、付属品は使い回すなどしても問題ありません(もちろん逆も可)。
- 柄:付属品の中では、最も動作に影響が出ます。柄の長さには、人それぞれ適正な長さがあります。長いと竹刀に力を伝えやすいかわりに、良い姿勢を維持することが難しくなります。ちょうどいい長さを覚えておくと便利です。

腕の長さとの関係が、これ位に
なるのがよいと言われています。
- 弦:一般的には白か黒を使う方が多いですが色々な色があって個性を出すことができます。あまり人が使っていない色を使って、自分の竹刀を見分けるための目印にもできます。柄に巻き付けている部分が緩んでくることがあるので気を付けて下さい。
- 先革:竹刀の先に付ける革で、あまり選んだりはしないものです。使っていると削れて薄くなるので、手入れ時にはよく確認してください。
- 中結:竹刀を中ほどでまとめる革で、あまり選んだりはしないものです。使っていると伸びて緩むので、手入れ時にはよく確認してください。
- 先ゴム:見えませんが竹刀の先に付いています。使い回すと劣化するので、その時は交換が必要です。
- 鍔(と鍔どめ):鍔はもちろん重要なアイテムなのですが、剣道家が竹刀の話をする時、鍔はあまり竹刀の付属品という位置付けにはなりません。価格的にも鍔には竹刀より高いようなものもあります。(なのでここでは語りません。)
竹刀の手入れ
竹刀は使うたびに傷みます。手入れを怠ると、ささくれや割れが発生して危険です。次の点を意識して定期的にメンテナンスしましょう。
- ささくれの処理:見つけたらすぐにカッターで削り、紙やすりで滑らかに整えます。
- 油の塗布:乾燥を防ぐため、時々竹刀用のオイルを薄く塗ります。
- 付属品の確認:中結いや柄革が緩んでいないか、先革が薄くなっていないかチェックします。
- 保存環境:湿気を避け、風通しのよい場所に保管します。竹刀を買った時にもらえるビニール袋に入れておくことをおすすめします。
禁止事項
竹刀の中に異物を入れたり、改造して重心や打突感を変えることはルールで禁止されています。安全面にも関わるため、竹刀は必ず正しい状態で使いましょう。
竹刀にまつわるトラブル
長年剣道を続けていると、竹刀が割れたり、稽古中にささくれが飛んだりといったトラブルを目にすることもあります。そうした経験を通じて、自分の手に合う竹刀や、より丁寧な手入れの方法を学んでいくのも剣道の一部です。
「道具を大切にすること」は、剣道の精神にも通じます。稽古の前後に必ず竹刀の点検をすることをおすすめします。
まとめ
- 竹刀には銘柄・素材・型の違いがある。
- 基本は自分の属するカテゴリの規定をクリアする竹刀を選ぶこと。
- 改造は禁止。手入れを怠らず、安全第一で使う。
正しい知識で竹刀を選び、手入れを習慣にすることも上達の一歩です。