
はじめに
剣道を続けていると、昇段審査をはじめとして様々な場面で(自問もありますが)
「なぜ剣道をしているのか?」
「剣道を通して何を身につけていくのか?」
を意識させられます。
それは剣道そのものがそれを意識することをとても大切にしているからです。
本記事では、全日本剣道連盟が掲げる剣道の理念と修錬の心構えについて、わかりやすくまとめ、日々の稽古でどう意識すれば良いのかも含めて考えていきたいと思います(昇段審査でもよく出題されます)。
※本記事は剣道の初心者や昇段審査をひかえている方に向けたまとめです。
剣道の理念
全日本剣道連盟は、剣道の理念を次のように定めています。
剣道は剣の理法の修練による人間形成の道である。
端的に言えば、剣道は単なる競技ではなく、
剣の理(道理・原理)を学び、その修練を通じて人間として成長していくことが本質だということです。
この理念が意味すること
- 技術の向上は手段であり、目的は人間形成
- 稽古を通して礼節・忍耐・集中力・克己心を養う
- 生涯にわたって続ける価値がある武道である
「人間形成」と聞くと大袈裟に感じるかもしれませんが、日々の稽古を通じて「今よりも少し良くなる」「弱い自分に負けない」と思って自分を磨くこと——それを人間形成と言っているのではないかと思います。
剣道修錬の心構え
全日本剣道連盟が定める「剣道修錬の心構え」は、次の通りです。
剣道を正しく真剣に学び
心身を錬磨して旺盛なる気力を養い
剣道の特性を通じて礼節をとうとび
信義を重んじ誠を尽くして
常に自己の修養に努め
以って国家社会を愛して
広く人類の平和繁栄に
寄与せんとするものである
この心構えが意味すること
非常に格調高い文章ですが、内容をかみ砕くと以下のような指針を示しています。
- 剣道は「正しく」「真剣に」学ぶべきもの
- 体だけでなく、心も鍛えることが目的
- 礼節・誠実・信義など、人として大切な徳を大事にする
- 稽古で得たものを社会や人のために活かす
何が言いたいのかというと、剣道から「礼儀」や「社会や人のため」という考えをなくしてしまったら、ただの「ケンカの術」になってしまいます。
そうではなくて、心と体を鍛え、学んだことを世の中へ還元していくための「修錬」であると説いているのだと思います。
心構えを実践するためのヒント
この心構えの実践に最も必要なことは「積み重ね」の意識だと思います。
「今日は勝った」「今日は負けた」で終わってしまうのではなく、一回一回の稽古から何かを学び取ろうとする姿勢が大切なのではないかと考えます。
● 稽古前後の「一つだけ意識すること」を決める
例)
- 「今日は姿勢だけ意識する」
- 「最初の5分は絶対に気持ちを切らさない」
- 「打ったあとを速く」
毎回全部は無理でも、1〜2点に絞ると確実に積み重なっていくと思います。
● 日々の稽古日誌を活用する
必ずしも「日誌」でなくてもよいと思います。思ったこと、考えたことを記録し、それを時々振り返ることで積み重なりができていきます。
- 今日(今週)の反省
- 気づいたこと
- 心構えについて
おわりに
剣道の理念や修錬の心構えは、一見「何、その面倒くさい話」と思えるかもしれませんが、剣道家が剣道を続けていくために「絶対に表明しなければならないこと」であり、剣道家は常に「悪巧みのために集まって格闘術の練習をしているわけではない」ということを、言葉や態度で示していかなければならないということだと思います。
今後も剣道の技術だけではなく、剣道の本質に触れる内容を少しずつ書いていければと思います。