GEN-DO|考えて、動く。

思考と行動のあいだにある「道」を探求するブログ。 日々の気づき、考え方のヒント、行動を変える習慣、そして剣道から学んだ哲学を綴る。 考えるだけで終わらせず、実際に「動く」ことで見える景色を共有する。

剣道における「三殺法」とは何か|気・剣・技を制する考え方

剣道には、相手を制するための方法として「三殺法(さんさっぽう)」という教えがあります。
これは試合や稽古の中で主導権を握り、戦いを有利に進めるための、剣道ならではの攻防の原理を示したものです。

三殺法(模範解答)

全日本剣道連盟公式サイトにある剣道学科審査の問題例と解答例では、「三殺法」について以下の通り説明しています。

相手を制するための手だてとして、相手の剣、技、気の三つを封じる。
 剣を殺す-相手の剣を押え、払うなどして剣の働きを制する。
 技を殺す-先手先手と攻め、相手に技をしかける余裕を与えない。
 気を殺す-気力で相手を圧倒し、相手が攻撃しようする機先を制する。

ここから先は、一つ一つ順番にもう少し細かく見ていきます。

剣を殺すとは

「剣を殺す」とは、相手の剣の働きを抑え、打突しようとしても打てない状態を作ることであり、具体的には、

  • 剣先を押さえる
  • 剣先を表や裏から払う
  • 剣先を巻く

などによって、相手の剣の自由を奪い、思うようにさせないことです。

技を殺すとは

「技を殺す」とは、相手に 技を出せないようにすること を言います。

これは相手が技を出そうとする(動こうとする)端に先手、先手で技を出し、相手に技を出す機会を与えないようにすることです。

言葉にするととても簡単に聞こえますが、相手の出端、出端に技を出すということは、一歩間違えると逆に相手に大きな機会を与えることになるため、言うほど容易いことではありません。

気を殺すとは

「気を殺す」とは、相手の戦おうとする気持ち、つまり戦意を奪うことです。

具体的には、

  • 大きな声を出す
  • しっかり構える
  • 強い意志を持って前に出る

こうしたことによって、相手の自信を揺るがせ、「もしかしたらこの相手には勝てないのではないか」と疑心暗鬼にさせるのです。

三殺法の順序

三殺法について、ここまで全剣連の模範解答にある通りの順番で見てきましたが、私が若いころ、初めてこの三殺法について教わった時には、この三つには順序があると教わりました。
それは、「気を殺し、剣を殺し、技を殺す」というものでした。

その言わんとするところは、
まず「気を殺す」というのは、自分の気を充実させることそのものであり、相手のことがわからなくても、相手に触れることができなくても、そして自分と相手の力量差がどうであっても、相手の気を殺そうとすることはできるのです。

そして次に相手と構え合い、相手の剣に触れることができるようになったならば、真っ先に相手の「剣を殺し」、相手の剣の自由を奪いなさいというのです。

そして、さらに相手の「気と剣を殺した」ならば、相手が動かんとするところに技を出し、相手に技を出させないようにする、すなわち「技を殺す」ということなのです。

どんな守りの名手であっても、相手に技を出されれば、その技に打たれてしまう可能性は0ではありません。しかし技を出されなければ、打たれてしまうことはないのです。
最後が「技を殺す」なのは、そのようにして戦いなさいという意味だと教わりました。

まとめ

三殺法は、「相手と戦うと言っても一体何をしていいかわからない」という疑問に対する一つの答えであり、戦い方の指針だと思います。
もちろん、気を殺すなどということを意識したところで、強い相手に対しては思うようにならないことの方が多いのですが、それでもこういうことから始めなければ、勝負の土俵に立つことすらできないのです。


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