GEN-DO|考えて、動く。

思考と行動のあいだにある「道」を探求するブログ。 日々の気づき、考え方のヒント、行動を変える習慣、そして剣道から学んだ哲学を綴る。 考えるだけで終わらせず、実際に「動く」ことで見える景色を共有する。

胴の打ち方|姿勢・間合い・打突のポイントをやさしく解説

剣道の基本技「胴打ち」は、竹刀を左右斜めに振る必要があり、面や小手とは少し違った要領が必要ですが、正しい姿勢、間合い、打突の手順などポイントを理解することで、安定して打てるようになります。
ここでは初心者にも実践しやすいを内容を中心に説明します。


1.胴の打ち方(模範解答)

全日本剣道連盟公式サイトにある剣道学科審査の問題例と解答例では、「胴の打ち方」について以下の通り説明しています。

胴打ちは、主に右胴打ちが基本である。大きく振りかぶり、頭上で手を返し、右足から踏み込んで胴を打つ。振りかぶりから胴打ちまでの動作が途切れることなく、一連の動作となるようにする。特に目付けを外さないようにし、左腰と左足が残らないようにする。

胴打ちは、実戦では自ら跳び込んで打つことは非常に少ないため、ここから先は、面返し胴に焦点を当てて細かく見ていきます。

2.中段の構え

ここでは中段の構えからの打突を前提に考えていきたいと思います。

  • 起点となる中段の構えのポイントは面の打ち方の記事の記載と同じです。
  • 面返し胴を狙う際の構えにおけるポイントは、構えの段階でその狙いを見抜かれないようにすることです。
  • そのため、相手の動きに過剰に反応しないように気をつけ、むしろ攻撃的な姿勢を維持して、相手にこちらの出鼻を狙わせるようにします。

3.間合い

間合いの記事でも書きましたが、打突は「一足一刀の間」から行うのが基本です。

しかし、胴を打つためには相手を大きく動かす必要があるため、実戦では一足一刀の間から自ら跳び込んで胴を打つことは難しく、相手の面打ちを誘って、面返し胴や面抜き胴の形にして打つことがほとんどです。

そのため、距離的には一足一刀の間より少し近い距離を打つような動作となり、足さばきもすり足(踏み込み足でなく)のまま打つことが多いのではないかと思います。

4.打突の手順(面返し胴の場合)

  1. 小さく面を打つフリをするなどして相手の面打ちを誘う。
  2. 左足(後ろ足)で右足(前足)を押し出すことが打突の始まりです。
    右足は床の上すれすれを、やや右前に出す。
  3. 手順2と同時に竹刀を振り上げ、相手の面打ちを返す。
  4. 右足を踏み込むと同時に(かやや遅れて)相手の右胴を打突します。打突に際しては右手首を返し、刃筋を立てて打突できるよう気をつけます。
  5. 左足を引き付け、相手の右側を抜けていきます。
  6. 余勢を使って、右足、左足と送り足を数歩進める。
  7. 振り返って構え、残心を示します。

5.打突のポイント

  • 手順1の具体的な方法はそれぞれ得意なやり方でよいと思います。
  • 面返し胴の成否は手順1の巧拙にかかっています。手順1で相手の打突のタイミングが絞れないと、手順2の時間が長くなり、うまく打つことができません。
  • 手順3〜4が実際の打突になりますが、いくつかポイントをあげます。
    1. 相手の面打ちを受けたら、剣先を耳の後ろあたりにやる意識で返す。
    2. 極端に右胴を打とうとせず、真ん中よりやや左を打つ。
    3. 腰で打とうとするあまり、右肩を開いてしまわないように気をつける。
    4. 左手が剣から離れてしまう場合も右手の下に付けておくとよいです。
  • 手順4の打突は、胴打ちも気剣体の一致が大切ですが、面返し胴では多くの場合、一瞬先に右足を入れておいて、気と体と合わせて打突するような形になります。
  • 送り足は常に右足で引っ張るのではなく、左足で押し出すイメージで行う。
  • 必ず残心をとる癖をつけましょう。

6.手順3~4の詳細

①相手の面打ちを受けたら、剣先を耳の後ろあたりにやる意識で返す。

相手の面打ちを返すとき、急いで胴を打とうとして、下図のピンクの側に竹刀を倒そうとしてしまうと相手の竹刀に自分の竹刀が引っかかってしまい、うまく返すことができません(②に記載する「極端な右胴」を打とうとすることもこれに含まれます)。

ほんの一瞬、点線が示す面内で竹刀を回して、剣先を耳の後ろあたりに持ってこれるときれいに返すことができます。

面抜き胴はできるけど、面返し胴はできないという人は、このあたりの返す動作が原因である可能性があります。

返すときのポイント(後ろから見たイメージ)

②極端に右胴を打とうとせず、真ん中よりやや左を打つ

極端に右胴を打とうとしてしまうと、剣先が遠回りしてしまい、タイミング的にも、打突の強度的にも、胴をうまく打つことができない原因となります。

腕をたたみ過ぎてしまい、左胴を打つような格好になってしまうのもよくありません。胴の真ん中よりやや左(こちらから見て)を打ち、切先が相手の胴をこすりながら抜けてくるような打突にできるとよいかと思います。

③腰で打とうとするあまり、右肩を開いてしまわないように気をつける。

腰で打とうとして早く右肩を開いてしまうと力がうまく伝わりません。相手の右横を抜ける際に体は勝手に回るので、あまり体を回さず、むしろ相手方向に右肩を残すような意識で打った方が強く打つことができます。

「強く打てない」と一生懸命身体を回そうとする若い方が多いですが、それは逆効果で、先に体を回してしまっているから、竹刀が胴に当たった時には、その力が残っていないのです。

野球選手の左打者が意識していることを参考にするとよいかと思います。

打つときのポイント(上からみたイメージ)

④左手が剣から離れてしまう

面返し胴を打つ時の左手ですが、通常通りで打ててしまう人はそのままでよいと思いますし、右手に寄せて支点を一つにしてもよいと思います。

左手を離さないと打てないという人は離してしまってもよいと思いますが、その場合、離した左手を右手の下あたりに付けておくのがよいと思います。

まとめ

胴打ちは、見る人によって評価が分かれやすく、打ったつもりでも有効にならないことが多い技だと思います。
姿勢・間合い・手順などの打突のポイントを理解し、誰が見ても有効と認めてくれるような技に仕上げることが大切だと思います。
上記した中では「右肩を早く開かないようにする」というのが非常に大切なポイントで、これによってコンパクトに強く打つのと同時に「目線が切れてしまわない(相手を見ている)こと」「打った後回転しないこと」を合わせて達成できるようにすると、非常に評価の高い胴技にできると考えます。


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