
日本剣道形は、剣道の理合や基本を体系的に学ぶために作られた、いわば剣道の教科書とも言える存在です。
本記事では、日本剣道形の必要性と効果について解説します。
日本剣道形の必要性(模範解答)
全日本剣道連盟の剣道学科審査問題例と解答例では、「日本剣道形の必要性」について、次のように説明されています。
剣道形は、先人が英知を尽して創造したものであり、長い歴史の過程で、理合や精神面に深い内容を持つまでに発達したものである。日本剣道形を正しく継承して次代に伝えることは大きな意義があり、また、私たちの使命でもある。
剣道形を繰り返し修錬することによって、剣道の基礎的な礼儀作法や技術、剣の理合を修得することができ、さらに内面的な気の働きや気位といった剣道の原理原則をも会得できる。このように剣道形は、剣道における規範となるものであることを深く認識し、平素から日本剣道形の修錬に努めることが大切である。
日本剣道形制定委員でもあった高野佐三郎範士は、著書『剣道』の中で「斯道の練習法三様あり、第一形の練習、第二仕合、第三打込み稽古是なり」と、形修錬の重要性を説いている。
日本剣道形の必要性と効果
日本剣道形の必要性
剣道そのものの伝承
日本剣道形は、剣道の理合や基本動作を体系的にまとめたものです。
言い換えれば、日本剣道形は剣道の集大成ともいえる存在です。
そのため、日本剣道形を正しく継承していくことは、単に形を守るということにとどまらず、剣道そのものを次の世代へ伝えていくことにつながります。
剣道の重要な稽古法の一つ
模範解答の中で、高野佐三郎範士の著書『剣道』を引用して、剣道の基本的な稽古方法は、大きく次の三つだと言っています。
- 形稽古
- 試合
- 打ち込み稽古
現代剣道の中では、日本剣道形を稽古する機会はめっきり減ってしまっているかも知れませんが、日本剣道形は剣道修錬における重要な稽古方法の一つとして位置付けられているのです。
日本剣道形の稽古による効果
剣道の理合の修得
日本剣道形は、打太刀(師の位)が仕太刀(弟子の位)に、「相手を仕留める理合」を教えるものであり、そこには、攻め・間合・機会など剣道の基本的な理合が明確に表現されています。
形を繰り返し稽古することで、これらの理合を体系的に理解することができます。
礼儀作法や技術の基礎が身につく
日本剣道形では、姿勢・構え・足さばき・太刀筋などの基本動作が厳密に求められます。
また、礼法も含めて行われるため、剣道における礼儀作法や技術の基礎を身につけることができます。
剣道の原理原則を会得
日本剣道形の解説書を読むと、単に技術だけでなく、内面的な気の働きや気位といった精神面も細かく語られています。
そのため形を修錬することで、剣道の原理原則を理解し、より深い剣道観を養うことができます。
まとめ
日本剣道形は、剣道の理合や基本動作を体系化したものであり、剣道の伝承において重要な意味を持っています。
また、形稽古は試合や打ち込みと並ぶ剣道の基本的な稽古法の一つでもあり、日本剣道形の修錬によって、
- 剣道の理合の修得
- 礼儀作法や技術の基礎の習得
- 気の働きや気位など剣道の原理原則の理解
といった効果が得られます。
このように日本剣道形は、剣道の規範として大切に修錬していくべき稽古なのです。
そしてそれが、現代剣道の試合における有効打突の取得にもつながる稽古であるということは、言うまでもありません。