
剣道の試合では、試合・審判規則によっていくつかの「禁止行為」が定められております。
本記事では、剣道における禁止行為について、剣道試合・審判規則/細則をもとに整理し、実践的に理解できるよう解説します。
剣道における「禁止行為」(模範解答)
全日本剣道連盟の剣道学科審査問題例と解答例では、「禁止行為」について、以下のような行為を挙げています。
- 薬物を使用する。
- 審判員および相手に対し、非礼な言動をする。
- 定められた以外の用具(不正用具)を使用する。
- 相手に足を掛けまたは払う。
- 相手を不当に場外に出す。
- 試合中に場外に出る。
- 自己の竹刀を落とす。
- 不当な中止要請をする。
- 相手に手を掛けまたは抱きこむ。
- 相手の竹刀を握るまたは自分の竹刀の刃部を握る。
- 相手の竹刀を抱える。
- 相手の肩に故意に竹刀をかける。
- 倒れたとき、相手の攻撃に対応することなく、うつ伏せなどになる。
- 故意に時間の空費をする。
- 不当な鍔競り合いおよび打突をする。
禁止行為によって罰則は異なる
試合中、禁止行為を行なった試合者に対しては罰則が課せられますが、禁止行為によって罰則が異なります。
1回の違反で負け(相手に二本を与える)となる禁止行為
1.薬物を使用する
2.審判員および相手に対し、非礼な言動をする。
3.定められた以外の用具(不正用具)を使用する。
1回の違反は1回の反則(反則二回で一本となる)となる禁止行為
4.相手に足を掛けまたは払う。
5.相手を不当に場外に出す。
6.試合中に場外に出る。
7.自己の竹刀を落とす。
8.不当な中止要請をする。
9.相手に手を掛けまたは抱きこむ。
10.相手の竹刀を握るまたは自分の竹刀の刃部を握る。
11.相手の竹刀を抱える。
12.相手の肩に故意に竹刀をかける。
13.倒れたとき、相手の攻撃に対応することなく、うつ伏せなどになる。
14.故意に時間の空費をする。
15.不当な鍔競り合いおよび打突をする。
禁止行為の整理
剣道をする上で、禁止行為については全て覚えておかなければなりませんが、大まかに言うと何をしてはいけないと言っているのか、整理しておくことが大切だと思います。
公平性を損なう行為
薬物の使用や不正用具の使用は、試合の公平性を根本から崩す重大な違反です。
剣道は技量と精神の勝負であり、外的な不正による優位性は一切認められません。
禁止薬物については、細則で「世界ドーピング防止機構(WADA)の最新の禁止表に掲載されているもの」と規定されています。
礼節を欠く行為
審判員や相手に対する非礼な言動は禁止されています。
剣道は武道であり、「礼に始まり礼に終わる」という理念が重視されます。
審判員や相手に対する敬意を忘れないことが大切です。
危険・妨害行為
足を掛ける、払う、手を掛ける、抱き込むといった行為は、相手の安全を脅かすため禁止されています(相手の竹刀に対する行為も含む)。
打突と体当たり以外の手段で相手を制することは許されていないと考えておいてよいと思います。
場外に出る(出す)行為
決められた試合場で戦うのは当然のことであり、場外に出ることは禁止されています。
相手を不当に場外へ出すことも同様です。
試合の運営を妨げる行為
不当な中止要請や故意に時間を空費することも試合の公正な進行を妨げる行為として禁止されています。
倒れた際に相手の攻撃に対応しないなどの行為も同様です。
竹刀を落とす行為
剣道は剣の技を争う競技であり、竹刀を落とすことは禁止と言うよりも「負け」とされても文句は言えない行為かと思います。
鍔競り合いなどで、相手の竹刀を不当に落とすことも禁止されています。
不当な鍔競り合い
不当な鍔競り合いとは、相手が技を出すことも、鍔競り合いを解消することもできなくしてしまうような鍔競り合いのことを言っており、「相手の肩に故意に竹刀をかける」という行為もこの一部に該当します。
鍔競り合いはあくまで攻防の一部であり、正々堂々と戦うという心がけが大切です。
まとめ
禁止行為については、単なるルールとして覚えようとすると、ただの丸暗記の作業に思えるかも知れません。
しかし、重要なのは一つ一つを細かく暗記することではなく、「なぜそれが禁止されているのか」を理解することにあります。
その根底には、剣道の試合を単なる「たたき合い」ではなく、互いを尊重し合いながら技と心を競うものとして成立させようとする理念が感じられます。
この理念を理解することで、試合だけでなく、日々の稽古の質の向上にもつながっていくものと思います。