
剣道が上達するための要件(模範解答)
全日本剣道連盟の剣道学科審査問題例と解答例では、「剣道が上達するための要件」について、次のように説明されています。
「剣道の理念」や「剣道修錬の心構え」についての理解を深め、自分なりの目標を持ち、一生が修行であることを自覚して、常に真剣な気持ちで修行をすることが大切である。また、素直な気持ちで師の教えに従い、基本と応用に熟達するよう修錬し、稽古の積み重ねと心の工夫に努める。こうした鍛錬的な実践と同時に、剣道を取り巻く理論的な研究を深め、形の習熟などによって理合を認識し、心身ともに健全な生活をおくることが大切である。
剣道を続けていると、「どうすればもっと上達できるのか」と悩む場面は誰しもあるのではないでしょうか。
稽古量を増やせば良いのか、それとも稽古の質が問題なのかなど・・・。
もちろん考えるべきことは、山ほどあると思いますが、大切なのは“土台”となる考え方ではないかと思います。
本記事では、「剣道が上達するための要件」(模範解答)を土台として、実際の稽古にどう落とし込むかを考えていきたいと思います。
実際の稽古で意識したいこと
模範解答は非常に完成された内容ですが、少し抽象的でもあります。
ここからは、日々の稽古にどう落とし込むかという視点で考えてみます。
■ 稽古に継続性を持たせる
1回1回の稽古がその場限りのものになってしまわないように、稽古日誌を付けるなどによって継続性を持たせること。
その日の気づきや課題を書き残すだけでも、次の稽古の質は大きく変わります。
「毎回行き当たりばったりの稽古」と「意図を持って積み重ねた稽古」では、何年も経ったらかなりの差が出ると思います。
「週に●回の稽古」ではなく、「生涯1回の稽古」のつもりで、今日は昨日の続きを、明日は今日の続きを稽古するように意識することが大切だと思います。
■ トライ&エラーを繰り返す
教わったことを漫然と繰り返すのではなく、トライ&エラーを重ねること。
「守破離」の考え方にもあるように、最初の段階では言われたことを素直に守って稽古することが大切であり、それでよいと思います。
まずは型通りにやることで、土台がしっかりと身についていきます。
しかし、どこかの段階で、それだけではなかなか上達が望めなくなってきます。
そのときに、「教わった通りにやっていれば、いつかきっと上手くなるだろう」という他力本願的な考え方でいると、なかなか上達できなくなってしまうことがあります。
そもそも、今自分が「こうしたい」と思っていることが、稽古すれば本当にできるようになることなのか?それさえ見直してみる必要があると思います。
自分自身で「何をどうしたいのか」「どうすればそうできるのか」を考え、トライ&エラーを繰り返しながら、自ら上達していこうとする意思を持つことが大切です。
■ 基本打ちも実戦をイメージして行う
基本打ちは、本当に相手と対峙している状況を思い浮かべて、「こうなる所をこう打つ」という意識で行うことが大切だと思います。
これも、習った通りにやるだけの基本打ちと、実戦を想定した基本打ちでは意味がまったく違います。
(習った通りの基本打ちにも意味はありますので誤解しないでください。)
「基本打ちのための基本打ち」では、基本打ちが見かけ上、上手になるだけで、実戦に全然活かされていないものになってしまいます。
特に剣道を始めて数年位の若い人の中には、「基本打ちなんて地稽古や試合で役に立たない」と思っている人さえいるのではないかと思いますが、そうではなく、「役に立つように基本打ちを行う」のです。
まとめ
剣道の上達は、「考え方」や「取り組み方」が大きく影響すると思います。
大切なのは、自分自身で考え、試行錯誤するということです。
教わったことを大切にしながらも、自ら課題を見つけ、工夫しながらやることが大切なのです。
その積み重ねこそが、確実な上達につながっていきます。
教わることに頼りきるのではなく、自分自身で上達の道を切り拓いていく。
その姿勢が、長く剣道を続けていく中で大きな違いとなって現れてくるのではないかと思います。